秋風のセラピー
秋が深まり、すっかり風が冷たくなりましたね。
東京はまだ 不思議にあたたかい日もありますが、
風はやっぱり深まる秋を感じています。
ああ、今日はひんやりするかな、一枚羽織るものを持とうかしら?
そんな事を考えて、
風が冷たいと感じる日は、
わたしはあたたかく仕度をしながらも、あえて、肌感覚を意識して秋風を感じるようにしています。
秋風の冷たさではなく、
その中の風の香りや
凛としたいのちの音を聞こうと、
風に五感をひらいて、
風を味わうようにしています。
これから冬を迎える準備をはじめた秋風には、
「いのちを本来の正位置に戻す」
美しい力があるような気がするのです。
知らず知らず、
私達が自分らしさから心を離しはじめるわずかな歪みや、
目的からずれ始める不安定さがあれば、それを元に戻してくれるような
優しさがある気がいたします。
多少ひんやりしていても、
私は秋の風が大好き。
早起きした朝のように、
澄みきった凛とした美しさを内包している気がするからです。
木の葉を秋色に変えて行く
妖精たちの秋じたくを見つける度に、
息づく地球に感謝してしまいます。
天上の芸術を映してくれる自然のお姿は、しっとりとした艶やかさを、私の肌を通して、風は運んでくれました。
その風の優しさは、いのちに優しくしみこんで
心がその風の奥の力を感じると
こだわりはゆっくりとほどかれ、
いつのまにか狂いはじめていた歪みは、自然に気づかされ正されます。
あたたかくて、
やわらかいそよかぜだけが、
優しさな訳ではない・・。
この冷たさの中にも、
実は灯っている宇宙の優しさに、
反応できる心を、育てたい。
そんな祈りがそっと、立ち上がる美しい秋です。