けなげな瞳 ~動物達のいのちの奥にも優しい愛のエネルギーが届きますように

時々、カフェの入り口や、スーパーマーケットの入り口で
こちらの真心を問われる程に まっすぐでけなげな瞳に出会う事があります。

それはご主人様を待つ犬達の瞳です。
ただ、ただ、自分の家族であるご主人様がお茶を飲みおわるのを
あるいは、お買い物をしおわるのを待っているのでしょう。

私達人間は、日常の一コマをすごしているにすぎないのですが、
それを待つ犬達の瞳は、ただ一匹一匹
息をとめるくらいの真剣さで、ドアの向こうを見つめ、
自分が愛する人のお姿を探しています。
時には真剣に、時には不安げに・・・。

街で出会うそういう瞳たちの純粋さに 胸をうたれていた私でしたが、
先日、とても意外な所で、そんな瞳たちに出会いました。

ある本屋さんで、本の棚をのぞかせて頂いていたら
何かあったかいものが、足元にふれたのです。

見ると、一瞬見上げたまんまるの瞳は 二匹のダックスフントだったのです。
ひもでつながれてはおらず、自由に動いていて
私は一瞬 お店の方に二匹が叱られはしないかと心配になりましたが
お店の方も二匹のエンジェルに話しかけており
常連さん(笑)なのかもしれません。

「ご主人様 どうしたの?」 と話しかけると、人なつこい目で
一瞬私の目を見つめてくれますが、すぐそのかわいい目は
雑踏の中へ戻されてゆきます。

迷子だと困るなと 心配になった私は、
その子達を怖がらせない位置にそっと立って、二匹を見守っていました。

そこでも 見つけました。
まっすぐで けなげな瞳です。

息をとめ、目をこらして、二匹とも動かずに
雑踏の中を一生懸命 ただ一人の人を探しているのです。

私も一生懸命、その子達が見ている方向を見てみますが、
飼い主さんらしいお人は見当たりません。

けっこうな時間がすぎてゆきました。

私は二匹のそのけなげな瞳を ずっと見守り続けました。
その瞳は言っています。
『不安、不安、いない、見つからない』
どちらの子も 同じ瞳をしています。

するとその時、二匹同時に 瞳がハッとして、
パアッとオーラが輝くようにしっぽが激しくゆれ
『嬉しい 嬉しい 嬉しい!』 と全身全霊で喜びを表現しながら
ダッと走りだしました。
見つけたんですね。
ああ、よかった!と私もホッとしました。

二匹は、1人の男性のおもとに喜びを表現しながら
走ってゆきました。
男性は二匹を見つけると、うなずいてそのまま歩いてゆき、
二匹はその後をしっぽをふりながらついて、お店を出てゆきました。

つながなくてもちゃんとついてきてくれて、迷子にならないんですね。
ご主人様が普通に歩き、彼らが懸命についてきてくれる。
あの子達は、まっすぐに人間を信頼しているんだ。
私は、胸にじわっとあたたかいものがこみあげると同時に
きゅんとかすかな痛みも覚え、大切な気持ちが心にともりました。

1つの魂として、1人の人間として、あの純粋な瞳に応えられる魂を持ちたいな、と。
あのような動物達のいのちが、私達人間によせてくれる信頼を、
大切に受けとめて生きるあたたかい心を忘れずに 生きたいとそう思ったのです。

犬達は(又は私達にそっとよりそってくれる動物達は皆)
とても綺麗なところから、まっすぐに私達を愛し続けてくれているのです。

例えば、もしかしたら”けなげな瞳”のご主人様達でさえ
あの瞳を知らない事や忘れている事も多いのではないでしょうか?

ふりかえった時は、すでに彼らがご主人さまを見つけた後の方が多いでしょうから
喜んでいる姿しか見えない時もあるでしょう。

でも、ご主人様の姿が見えていない時、
彼らがどれほどまっすぐな瞳で 一生懸命にあなたの姿を探し続けているかがわかったら
その子達が捧げてくれるその優しさに、人間サイドにも綺麗な涙が滲み、
いのちに対して 優しい敬意がもっともっと溢れるでしょう。

万物の霊長である私達人間の霊性が、さらに愛に近づき、
霊性が優しくあたたかくなってくると
地球に住む動物達、昆虫達からも凶暴性は消え、
あらゆる種のいのちから、愛と共生が現れるといいますが、
そんなあたたかいお星さまは、ステキですね。
私達から攻撃性が消えると、それがこの星のあらゆるいのちに、
あらゆる所に現れてくるのですね。

どうか、すべてのいのちがお幸せでありますように~

祈りをこめて。
動物達の優しさをおうちに迎えている人もそうでない人も
心のあたたかい所で、他の種のいのちを敬い、
今日もあたたかく包みこみながら
大切に生きてゆきましょうね。