魂の職探しの具体例(4)
信じて飛び込めば、受け止めてくれる世界が必ずあります
Aさんは、今いる場所をもう辞めると決めました。
お金は正直厳しかったし、
次の仕事の宛があった訳でもありません。
堅実で慎重な普通の人なら、踏みとどまるかもしれません。
せめて、センターに伝えるのは、次の仕事が見つかってからにしたかもしれません。
でもAさんは勇気をだして、
それらが何もない中で、自分の意思を決めました。
辞めるという意思は変わりません。だけど、
人間ですから そうは言ってもやっぱり怖い・・。
その後 波のように『恐れ』が訪れていました。
経験なさった方なら、きっと頷かれるでしょう。
今までの生き方から、内なる魂の声に従う生き方へ、
一歩 踏み出した時というのは、
恐れと確信が 交互に訪れます。
私もこの心道を 何度も通りました。
例えば、ある日は、絶対いける!大丈夫!自分は正しい道にいる、と確信を感じます。
でも、次の日には、
その同じ心が、急に不安になってきて、
「え、そうは言っても本当に大丈夫だろうか」
「あんなこと言っちゃったけど、大丈夫だろうか」と、
がーっと恐れを味わいます。
ある時間は、
夢の中にいるように力がみなぎり、「絶対大丈夫」と感じる、
でも その一時間後には、また
急に不安になって、「大丈夫だろうか!」と頭を抱える。
感情のジェットコースター。
心の波動が、上がったり、下がったりを 交互に繰り返します。
1日ごとに、1時間ごとに、
毎分毎秒ごとに、
「恐れ」と「確信」が交互にやってきます。
これは、その人の波動が宇宙意識(本当の自分)へと、波動を変えていく時に 通過する心のプロセスの 特徴なのですね。
ひとつの次元から、次の次元へと移行する時の 体験なのですね。
それはおかしくないのです。
魂が、波動をあげて、
先に進んでいる時に体験する波動の特徴です。
波動は、波です。
波の動きと書いて、波動。
変化する時、
それまでの世界をぬけていく時の私たちの感情は、
波のように盛り上がったり、下がったりして、波動をつくり、
やがて安定して波に乗っていきます。
Aさんも、心は変わらないまでも、感情はこのアップダウンの中にいました。
Aさんは心の強い人ではありますが、それでも恐れを感じていない訳ではありません。
皆一緒ですよね。
新しい領域に踏み出す時は 誰でもが怖いのです。
確信と、強烈な恐れで、Aさんは揺れながら、でも もともと日常に瞑想を取り入れておられる方なので、
私がアドバイスなどしなくても、
Aさんはこうおっしゃっていました。
「いや~強烈に怖いから、恐れがぶわ~って吹き上げる時は、
これが今自分が感じる必要のある恐れなんだなと、腹をくくって あえて、涌き出る恐れの中に入っていって感じ尽くしてみているよ。」
とそう言っておられました。
私はそれをお聞きして
「それはステキね。そうやって感じ抜けば、感情は消えていくように できているから。
怖くてたまらないからと、なるべく恐れを感じないようにして、
抵抗する方が流れを止めてしまうものね。」
と、応えました。
その時にひとつだけ、わかちあった言葉がありました。
「 そうやって波を奏でて、感情の解放を繰り返していけば 必ずトンネルを出るから 安心していてね。
でも、船の行き先を、あなたが望む方向に向ける事を忘れないでね。」
船の行き先を望む方向に合わせる、とは、
「自分の魂が行きたがっている周波数に、自分を合わせる」という事です。
Aさんがひとつ前の職場から、今回の職場まで、感じていた事は、
「大事に扱われている気がしない。」「人を大事にできない環境」でした。
誰もが 頑張っていますから、
喉を使って言葉にする前に、現実で我慢して飲み込んできた波動があったのかもしれません。
大事にされていると感じない現状を目の当たりにする度に、
イライラっと、腹の底で実は沸いていた怒りや、
ギュッと胸の奥を固くして、本音を押し込む閉じていく感じ。
ザラザラっとした感じを心が味わうのは、やりたいことをやっていないという事からくるフィーリングを見つけていました。
そういうものが、これまでの職場では 心の底に流れていたのかもしれません。
このフィーリングは、今の職場に、大事にされなかったから、出てきた感情ではなくて、逆なのです。
先に、自分の中に、「本当の自分」から波動が 離れた事からくる
イライラ、ヒリヒリ、ザラザラ波動が、実は先に心にあって、
私たちは、気づかなければ そこから現実を創ります。
つまり、辞めるタイミングで、辞める理由になった事を通して、今感じているこのフィーリング、この気持ち (例えば、イライラ、ヒリヒリ、ザラザラ等) が出ます。
実はこれが、今の辞めたい現実を創り、引き寄せた「磁石」となった波動です、
イライラ、ヒリヒリ、ザラザラ、ギュウッと、
この心が感じるフィーリングこそが、波動であり、周波数ですから。
テレビやラジオのチャンネルみたいなものです。
つまり、Aさんをモデルさんとして学ばせて頂くとするなら、1つ前の職場や、今、卒業しようとしている職場を引き寄せた波動が、辞めると決めたタイミングには浮上します。
元からあって、引き寄せたのは、今も前も自分の中にあったこの、イライラ、ヒリヒリ、ザラザラ波動。
それらを翻訳すれば、それは
「言ったってどうせ無駄だ、」
「どんなに頑張ったって、現実なんか変わらない」
「現実は変えられないから、嫌でもやらなければならないんだ」という気持ちや、
「困っていても我慢して言わず、助けを求められない」という気持ちや、
「自分への不信、無力感」そして、
「人を大事にしない世界への強烈な怒り」などなど、なんですね。
「辞めたい」「辞める」タイミング。
こんなタイミングの時に浮上してくる、
例えば 経営側の方々や直接ふれあう上司へ感じている怒りは、
実は、自分が自分自身に向けている怒りなのです。
実は、それはそれを体験している人の中で痛みをもっていて、
その痛みから動いていた動いていた自分が、「本当の自分」から離れている事からくる痛みで、
内なる自分が、表面の自分の姿に言っていること。
「自分を大切にしてほしい」
「何度も言っているけど、言ってもどうせ聞いてくれない」
「どうせ変わらない、変えてくれない」
内なる自分が、外側の自分への言葉であり、怒りなのですね。
自分が「本当の自分」を大事にしていない事からくる 自分への強烈な怒りを投影しています。
それに、気づいてほしいから、気づきたいから本当の自分が 、自分の体を置いた場所、気づくために引き寄せた居場所が、今までの職場です。
だから 船の行き先を見失わないでというのは、
今、アップダウンして 波動を動かしていても、船が行きたい目的地の港にチャンネルをあわせてねという意味です。
次へ以降する時は、ここに気づいていなければなりません。
つまり、わかりやすくいえば、
仕事を辞めるとき ( 或いはやめたい時 )に、
自分の境遇がどれだけひどいかを、周りに不満をいい続けたり、
会社や上司に腹をたてて、そこへの不満や文句を言って 解放や気づきを伴わずに ただただ腹をたて続けたりすると、
また、連結するのは、
似たような環境の職場なのです。
(転職をくりかえしていらっしゃる方は、思いあたる節があるでしょう?)
それを受けて、その腹立ち、その不満に気づいたら、
「じゃあ、自分は何を望んでいるのかなあ?」と、感じてあげて、そこから気づき、そこから学んで、
今、この瞬間から、その波動を生き始めるのです。
それが、行き先を見失わないという事です。
つまり、腹をたてたり、
文句をいい続けたり、今いる場所がどれ程不満かを語り続けると、
出てますでしょう?奏でられているでしょう?
胸からイライラ、イガイガ、ザラザラした波動が。
感じる事はけっして悪い訳ではありません。
けれど、その波動を奏でていたままなら、魂の職場から呼んでもらえないのです。
自分が出している波動が 見えていないから。
自分から、波が出ていないのです。
Aさんは、これを上手に波乗りしていました。
恐れ、怒り、不満などを、現状に見つける度に、(ずっと掴み続けない為に) それをあえて感じぬきます。
それを手放す為に、
自分の痛みや苦しみをわかってあげて、ちゃんと受けとめ 手放す為に あえて 一旦立ち止まり感じてあげるのですね。
まずはその瞬間、或いは一人になってから、出てきた感情を思い出して、すっきりするまで感じぬきます。
この場合は、感じぬいても、嫌な現実を引き寄せている連結にはなりません。
一瞬確かに胸はそれを奏でますが、文句をいい続けるのとは違って、
感じぬくというのは、それを自分から手放すことだからです。
抵抗すると、その波動を握ってしまいます。
でも、感じる度に解放すべく、自分の中で受け入れると、その都度消しすことになり、波動はまた上がります。
まわりに不満を言い続けたりして、不満を語ると、そのエネルギーは膨張するでしょう?
まわりに言う程に、その嫌なエネルギーが拡大して、しかも消えていない・・。
でも感じぬくという事は、それを引き受ける事になるから、消してあげられるのです。
受け入れれば、感情は自動的に 消えるモードに入るからです。
Aさんはそうやって、自分の感情から目をそらさずに向き合って、一瞬感じぬいては、自分の中を通して、それを消してゆきました。
そして、その度に
「自分はどうしたい?どうされたい?どんな波動がいい?」と自分に聞いてあげたのです。
そうしたら、心さんは、
「自分を大事にしたいんだ。」「人を大事にしたいんだ。」
そして「自分の持つ力を思う存分発揮したいんだ」
そんな、魂の声に気づいたのです。
その声、自分の本音から目をそらさないという事、それを知っているという事。
それが 船の行き先を見失わないという事なのです。
私は、
「それが見えているから、もう大丈夫。
着地点は必ずあります。
その波動を生きるのを、次の仕事がくるまで待たないで、今からその波動を生きてね。
その次に生きたい波動を、今からできる事から奏で始めてね。
それが、そうなる職場とつながる元だから。
信じて飛び込めば、受けとめてくれる世界が必ずありますから。」
そして、自分で考え、
自分で行動し始めたAさんでした。
(続く)
※次回、「魂の職探しの具体例」エピソード、いよいよ最終回です。お楽しみに(笑)